深夜特急24時ー結果は圧勝って事でー

 虎太郎との待ちに待った新婚生活。朝起きたら居る、寝る時も居る。家に帰れば居る。振り返れば、コタが居る。この部屋の片隅に、マジナチュラルに、先に帰宅しただけのコタが、誤差なく俺を見詰めて微笑む。これはまさに、パーフェクトワールド。

「コタ、すんごいチューして?」

「すんごいって…良いけど。」

 虎太郎の顔が俺の視界から完全にはみ出すその距離に来た時、鼻から出る生暖かい息に完全に夜行性の半身が目を覚ます。その時、遠くから決まってZ前先生が俺に話し掛ける。

ー最高のときは一度だけじゃない。上り続ける限り毎回が最高とは思えないのか?

 訴えないでくれ。でも、俺にはそう聞こえる。最高の時は一度だけじゃない。イエッサー。上り続ける半身を虎太郎に遠慮なく押し当て迫ると、虎太郎はその俺を押しのけて寝室に走った。

 ん?

 アピールが少なすぎたかと思い、寝室に消えた虎太郎に続いて寝室に入ると、虎太郎が振り返り怪訝な顔をした。

「何?今日したい事まだ終わってないって、さっき言ってたよね?まだ早いし、もう少し頑張ったら?」

「…新婚♪新婚♪」

「仕事♪仕事♪はい、行ってらっしゃい。」

 寝室からグイグイ追い出され、ドアを閉められポカンとする俺に、8・2分けの敏腕弁護士もエールを送る。

「欲情の自由は、民主主義の根幹を成すものです。」

 異議なし。

 再度ドアを密かに開けると、ベッドに入ろうとして居た虎太郎が、こっちを見て溜息を吐いた。

「現実逃避に僕を使おうとしてる?」

「いや、それは断じて違う!寧ろ現実直視する為、参上致した。もっかい、しちゃったりする?」

「しない。もうさっきので御勘弁ください。お休み。」

 聞こえなかった事にしよう。異議のある者、挙手願います。
 …万丈一致で完全スルーの方向で。

 ベッドにイソイソ向かうと、寝ようとして居た虎太郎がガバッと起きて、唸った。

「聞いてた?眠いから、ほんとに!詩は仕事あるよね?」

「俺ね、自分で言うのも何だけど、仕事早い方でね、今夜が無くても明日がある。失礼しまーす。」

「あー……拷問。」

「ん?肛門?ヨシヨシ、いきなり行っちゃいますか?」

「詩ってベッドに入った途端、耳、おかしくなるよね?本当詐欺。」

「何で?何処が?どう言う風に?」

 俺は自慢ではないが、生まれてこのかた人を騙した事は一度も無い。パジャマのボタンを外す手を止め、しかと聞いてやろうと思ったら、虎太郎がこちらを目を細めて睨みながら早口で捲し立てた。

「エロいのは初めから知ってたし、隠してなんかなかったから、もうそれはいいよ。詩の欲情率はほぼデイリー、了解です、どうぞと言えるまで僕は鍛えられたよ。でも回数に問題があるよね?毎日するなら一日一回で済ませるべきじゃ無い?それにする事も変態だし、あんなステージでキャーキャー言われてる人がさ、こんな凄い事するなんて思わないし!回数も僕の許容範囲を越えて、変態プレイが加速して、僕がこれを楽しめなくなって、その内苦痛になって、その内セックスレスになったらどうする?嫌だよね?」

「…俺…泣いちゃうよ?」

「…泣いちゃうのは…嫌だけど…。」

 こう言う所。こう言う所がもう堪らない。グリズリーもビックリの体当たりで虎太郎を一気に押し倒し、べロッベロに舌を絡ませキスをすると、口を離した途端、虎太郎が諦めの溜息を小さくつき、両腕を真横に広げて置くと言った。

「どうぞ。」

「大事に丁寧に美味しく頂きます。」

「Dig in…。(召し上がれ)」

「Dixk in…?(お挿れ?)」

「あああ、Whatever…。(どーでもいいや)」

 今夜も深夜24時の攻防戦、俺の圧勝。

◀︎目次

「深夜特急24時ー結果は圧勝って事でー」への3件のフィードバック

  1. もう何周目か分からないウタコタのストーリーに相も変わらず涙してます♪
    トリビュートのPASがわからなくなってしまったので再度教えて頂けないでしょうか?
    よろしくお願いいたします

    1. ゆみんさん☺️
      嬉しいコメント有難う御座います🎶
      全く更新してないHPですが、ちびちび書いてますので、
      そのうち更新します。パスワード、メールさせて頂きます🙏

      1. 優さん お返事ありがとうございます。
        早速ウタコタ世界に出発します♪

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